地球温暖化 考 日本は地球温暖化対策には消極的でよい。 日本の場合、地球温暖化が進行しても、それほど大きな被害にはな らない。 寒い国の暖房費を暖かい国が負担する必要がないのと同じ理屈で、 温暖化に対して強い耐性のある日本が、温暖化に弱い外国の温暖化 対策費を負担する必要はない。 子孫のために温暖化を防ぐべき、というのは間違い。子孫のためを 思うのなら、さらなるエネルギー生産技術開発の推進をすべきであ って、そのためには社会全体のエネルギー消費を拡大し、生産性を 高めていく必要がある。社会全体のエネルギー消費を絞っていけば、 日本のモノ作り生産性を低下させ、若い世代の職を奪い、日本を3 等国へと転落させていくことになる。化石燃料は枯渇するまで使い 続け、一方で非化石エネルギーの生産をどんどん拡大させる必要が ある。 今までいわれてきた地球温暖化による悪影響が、日本では、実はそ れほどたいした話でもないということを、下記に説明する。 1.海水面上昇 IPCCの予測では、地球温暖化が進行すると、100年後に1m 程度の海水面上昇が起こるとしている。海水面の上昇が1m程度で あるならば、日本の場合、大都市圏の海岸線を堤防で防げばよい。 堤防を作って守るほどの経済力のない地方都市の場合には、海水面 の上昇の影響を受けるが、その場合、非常にゆっくりとした海水面 の進行につれて、自然と建造物は高い場所へ建てられるようになる から、町自体が少しづつ高い場所へ移動することになる。建築物の 耐用年数のことを考えれば、100年間ですっかり建て直されるこ とになるから、結果的にそれほど大きな経済的被害は発生しない。 また100年経過すると、石油及び天然ガスが枯渇する。石炭もせ いぜい200年程度で実用的な範囲では枯渇してくると考えられる ため、そのあたりでCO2に起因する地球温暖化の進行は止まるこ ととなる。従って、2m以上もの海水面の上昇を心配する必要はな い。 2.食糧問題 日本の場合、食糧自給率40%で、世界中から食糧の6割を輸入し ている。地球温暖化が進行すれば、世界中で砂漠化が進行し、穀物 生産が打撃を受け、食糧危機が発生すると言われている。しかしな がら、トウモロコシの国際価格は1トン2万円程度という状況であ って、日本国内の食糧流通価格と比べてきわめて安いのが現状であ る。これが仮に10倍になったところで、10キロ2,000円であり、 まだスーパーの米の価格よりも安い。また食糧価格が上昇してくる と、農家の年収が増加してくることになるため、就農人口が増加し、 休耕田を使った耕作者が増加したり、棚田が復活してきたりする。 また温暖化が進めば、北海道でも米作が可能となってきたり、西日 本では台湾のように高温に強い品種の米を栽培することで、多期作 化による収量増加も見込むことが出来る。日本の場合、いくら温暖 化が進行しても砂漠化は起こらないということからも、温暖化によ る食糧問題はそれほど大きな問題とはならないと考えられる。 そもそも日本の場合は、減反政策に伴う休耕田の増加が問題となっ ていて、食糧不足を心配するよりも、休耕田の増加を先に心配する べきと考える。 また現在、海水淡水化技術が長足の進歩を遂げつつあるため、近い 将来、広大な砂漠で大量の食糧生産が可能になることが予想される。 試算として、オーストラリアのナラボー平原と呼ばれる、現在では ほとんど無人に近い広大な土地があるが、ここで、現在の海水淡水 化技術を使用して、全て海水から淡水化した水を使用して水稲耕作 を実施したとすると、米10kg5,000円程度という、新潟こしひかり価 格並みのコストで生産可能。現時点でこの程度のコストであるから、 今後さらに現実的な価格で海水淡水化米を生産することが可能とな っていくことが容易に想像できる。 ちなみにナラボー平原全域で水稲耕作が行われれば、5億人分程度 の食糧生産が可能となる。 3.水資源の問題 いわゆるバーチャルウォーターと称して、将来的な水資源の危機を ことさらに心配するような議論があり、レトリックの罠が存在して いる。基本的にはこれも食糧問題と同じ議論なのではあるが、人口 は増加していくのに対して、地球で使える水(淡水)資源は限られ ている、という話である。 「今の」淡水資源を前提に「将来の」子孫の心配をするのはおかし な話である。「将来の」子孫の心配をするのであれば、「将来の」 淡水資源の量を前提にして議論しないといけないのである。 食糧危機の項でも論じたように、海水淡水化技術の進歩に伴って、 「将来の」淡水資源は間違いなく今よりも増加する。将来にわたっ て淡水資源は有限だというのは間違いなのである。 そもそも地球というのは水の惑星なのであって、淡水が足りなくな ったら海水を淡水化するというのは、あたりまえのことなのである。 今までは太陽エネルギーによって、非効率な自然の力で海水淡水化 することに頼り切っていたが、人類の技術の進歩によって、より効 率的に海水を淡水化して、効率的に食糧生産を行うという方向性を 否定するというのは、そもそも論として極めて乱暴な議論なのであ る。 海水の淡水化には、エネルギーの投入が必要となる。このため将来 の人類は、今よりもエネルギー生産量を何10倍にも拡大させるこ とになるだろう。核融合や宇宙太陽光発電などといった無尽蔵のエ ネルギー生産技術がそれを可能とする。このことからも、巷で言わ れている省エネルギー社会への道という発想自体が、そもそも最初 から間違っているということが分かる。 人類は過去から一貫して、そして未来においても、エネルギー生産 /消費を拡大し続ける存在なのである。また太陽系にはそれを支え る無尽蔵の未利用エネルギーが存在しているのである。 4.塩害 これも食糧危機に関連するキーワードである。塩害とは、そもそも 降水量の少ない土地で灌漑水や地下水等を使用して農業を行った場 合に発生する。供給水量が少ない場合には、土壌に蓄えられている 塩分が地表に集積し、植物が生育しなくなる、という現象である。 そもそもの原因が、少ない供給水量で農業を行う、ということであ るから、例えば海水淡水化で得られた淡水を十分に供給できれば、 塩分は洗い流されるために塩害は解消する。極論すれば、水稲耕作 を行う場合、塩害は発生しない。 5.台風被害 温暖化が進行すると、台風が大型化して台風被害が増加するという 予測がある。しかしながらこれは治水対策の問題である。日本もか つては治水対策が十分ではなく、伊勢湾台風やカスリーン台風で、 1,000名以上の死者が出るなど、河川の氾濫により大きな被害を出し てはいた。 が、高度経済成長以降、主要河川や海岸線のコンクリート堤防によ る治水対策が進み、昨今では台風による人的被害は極めて少なくな っている。温暖化でよく引き合いに出されるのが、アメリカで大き な被害を出した大型台風カトリーナの例である。カトリーナの場合、 数1,000人の死者を出したが、これはほとんどがニューオーリンズで の堤防決壊によるもので、不十分な治水対策の結果であって、これ は明らかに人災である。温暖化が進み、台風が大型化するのであれ ば、それに合わせて河川等の治水対策も進めていくことは当然で、 これがきちんと実施されるのであれば、台風被害が大きくなること を心配する必要はない。 6.デング熱 熱帯地方では、蚊の媒介によりデング熱と呼ばれる伝染病があり、 これが温暖化に伴って日本でも流行するようになると言われている。 しかしながら、気温が高い地域にも、シンガポールや香港や台湾の ように大きな都市はあり、これらの都市では当然のごとく疫病対策 もちゃんと行われている。日本は狂犬病も根絶させるほどの衛生管 理がしっかりしている国である。デング熱が日本の経済活動に大き な悪影響を与えることになるとはとても考えられない。 7.南極の氷の融解 温暖化が進むと南極の氷が溶けて海水面が上昇し、大きな経済的損 失を招く、という話がある。しかしこの類の話を注意深く読み解く と、たいていの場合、下記のようにレトリックの罠が存在している。 1)南極の氷は融けている。 2)南極の氷が融けると、海水面は7m上昇する。 3)海水面が7mも上昇すれば、莫大な経済的損失が生じる。 また、億人単位の人間が被害を受ける。 上記はわりとよく使われるレトリックである。 上記の論法で問題なのは、2)が発生するのに何千年もかかるのに、 3)で経済損失を計算する場合には現在の不動産価値を使用すると いうことである。 同じ土地に100年間も建っている建築物はほとんどなく、100 年間も同じ土地に住み続ける人というのもほとんどいないというこ とである。マンハッタンは現在では都会だが、海水面が迫ってくる 数100年後に現在の不動産価値を有しているという仮定は考えに くい。 南極の氷には、棚氷(たなごおり)と呼ばれる、海水に浮かぶ厚さ 200mほどの氷と、氷床(ひょうしょう)と呼ばれる、大陸の上 にのっかっている3000mもの莫大な厚みのある氷の2種類があ り、これをごっちゃに考えている人がほとんどである。昨今広大な 面積の南極の氷が溶けたとして話題になっているのは、棚氷のほう であって、これはいくら溶けても浮いている氷なので、海水面の上 昇には寄与せず、また南極の氷全体のなかでもほんの僅かな体積を 占めるに過ぎない。問題なのは氷床のほうであって、これが全部溶 けると海水面が40m上昇する。グリーンランドの氷床の場合で7 m上昇する。但し氷床が溶けるのには、千年単位の莫大な時間が必 要で、溶け出すはるか以前に化石燃料が枯渇する。 100年やそこらでは全然心配する必要はない。 8.メタン暴走 地球温暖化が進行すると、シベリアの凍土や深海の海底に閉じ込め られているメタンが噴出してきて、これが温暖化の速度を加速度的 に上昇させる可能性がある、と主張する人たちがいる。確かにメタ ンはCO2の20倍の温暖化効果を有しており、2億5千万年前と いう太古の昔には、大規模な地殻変動による地下からの膨大なCO2 排出を引き金としたメタン暴走があり、大気中の酸素濃度が30% から一気に10%にまで減少し、大多数の生物が絶滅した、という 事件があったらしい。但しこのときのCO2放出量は40兆トンとい われており、現在人類が1年間に放出しているCO2排出量160 億トンの、実に2,500倍もの量が一気に噴出されたということであり、 現状とはとても比較にはならない。 またメタンという物質は、大気中では12年で分解されるものであ るので、よほど短期間に大量のメタンが大気中に放出されないかぎ り、クライシスが生じることはない。 上記に対するご意見・反論は下記まで。 2009.11.4 wakou_no_shison wakou021@sea.sunlake.nu ******************************